関西旅行の交通費は、どのパスを買うかで1日あたり1,000〜3,000円変わる。

大阪・京都・奈良・神戸を回るのに、ICOCAでその都度払うか、フリーパスでまとめるか。正直、種類が多すぎて「どれが自分に合ってるか分からない」という声は多い。

関西には主要なフリーパス・割引きっぷだけで10種類以上ある。しかも路線の組み合わせが複雑で、「京都へは使えるけど奈良へは使えない」みたいなパスもある。

この記事では、関西で使える全てのフリーパス・割引きっぷを一覧にした上で、滞在日数別・目的別に「結局どれが一番得か」を料金シミュレーションで検証する。

関西国際空港

関西の交通パス・フリーきっぷ一覧

主要パスの比較テーブル

パス名価格有効期間主な利用可能路線購入場所対象者
大阪周遊パス1日券 3,500円 / 2日券 5,000円1日 or 連続2日大阪メトロ全線・バス+約40施設無料メトロ駅窓口・観光案内所誰でも
KANSAI THRU PASS2日券 4,480円 / 3日券 5,600円2日 or 3日(非連続可)関西の私鉄・地下鉄・バス(JR除く)関西空港・主要駅窓口外国人旅行者のみ
関西ワイドパス(JR)12,000円連続5日JR西日本(関西〜北陸・山陽エリア)JRみどりの窓口・ネット外国人旅行者のみ
関西エリアパス(JR)1日 2,800円〜4日 7,000円1〜4日JR西日本(大阪〜京都〜奈良〜神戸)JRみどりの窓口・ネット外国人旅行者のみ
阪急ツーリストパス1日 700円 / 2日 1,200円1日 or 連続2日阪急電鉄全線阪急ツーリストセンター(梅田)外国人旅行者のみ
阪神ツーリストパス1日 700円1日阪神電鉄全線阪神梅田駅・神戸三宮駅外国人旅行者のみ
大阪メトロ1日乗車券(エンジョイエコカード)平日820円 / 土日祝620円1日大阪メトロ全線・バスメトロ駅券売機誰でも
京都バス1日券700円1日京都市バス均一区間バス車内・地下鉄駅窓口誰でも
京都地下鉄1日券800円1日京都市営地下鉄全線地下鉄駅券売機誰でも
京都地下鉄・バス1日券1,100円1日京都市営地下鉄+京都市バス均一区間地下鉄駅窓口・観光案内所誰でも
奈良バス1日券500円1日奈良交通バス(奈良市内均一区間)バス車内・奈良駅窓口誰でも
スルッとKANSAI 2dayパス4,400円任意の2日関西の私鉄・地下鉄(JR除く)主要駅窓口誰でも
ICOCAチャージ式(デポジット500円)なし(都度払い)JR・私鉄・地下鉄・バス全て駅券売機誰でも

注意: 2026年4月時点の料金。KANSAI THRU PASS、関西ワイドパス、関西エリアパス、阪急/阪神ツーリストパスは外国人旅行者(短期滞在ビザ)限定。日本国内在住者は購入できない。

日本国内旅行者が買えるパス

外国人限定パスを除くと、日本国内からの旅行者が使えるのは以下のパスに限られる。

国内旅行者向けパスの整理

パス名価格使い道元が取れるライン
大阪周遊パス 1日券3,500円大阪市内の観光+移動施設3〜4カ所入場+地下鉄3〜4回乗車
大阪周遊パス 2日券5,000円大阪市内に2日間滞在1日あたり2,500円分以上使う
大阪メトロ1日券平日820円 / 土日祝620円大阪市内の移動のみ地下鉄4回以上乗車(1乗車230円として)
京都バス1日券700円京都市内のバス移動バス4回以上乗車(1乗車230円として)
京都地下鉄・バス1日券1,100円京都市内の地下鉄+バス地下鉄1回+バス3回以上
スルッとKANSAI 2dayパス4,400円関西の私鉄・地下鉄を広域に使う1日あたり2,200円分以上乗車
ICOCA都度払い全交通機関パスの元が取れない場合の保険

ポイントは大阪周遊パスとICOCAの使い分け。観光施設にたくさん入る日は周遊パス、移動だけの日はICOCAかメトロ1日券。この切り替えが最もコスパが良い。大阪周遊パスの詳細な損益分岐点は別記事で検証している。

料金シミュレーション — 3つのパターンで比較

数字で見たほうが分かりやすいので、実際の観光ルートで「パスを使った場合」と「ICOCAで都度払いした場合」を比較する。

パターン1: 大阪1日観光(王道ルート)

ルート: 梅田 → 大阪城 → 道頓堀 → 通天閣 → あべのハルカス → 梅田

移動・施設ICOCA(都度払い)大阪周遊パス
梅田 → 大阪城公園(メトロ)280円0円(乗り放題)
大阪城天守閣600円0円(無料施設)
大阪城公園 → なんば(メトロ)280円0円
なんば → 動物園前(メトロ)180円0円
通天閣900円0円(無料施設)
動物園前 → 天王寺(メトロ)180円0円
あべのハルカス展望台2,000円対象外(別途必要)
天王寺 → 梅田(メトロ)280円0円
合計4,700円3,500円+2,000円 = 5,500円

この場合、あべのハルカスが周遊パス対象外のため、ICOCAのほうが800円安い。ただし、あべのハルカスを外して代わりに大阪城御座船(1,500円)や水上バス(1,800円)を入れると逆転する。

周遊パスで元を取るコツ: 対象施設を中心にルートを組むこと。対象外の高額施設(あべのハルカス、海遊館等)に行く日は周遊パスを使わず、ICOCAで個別に払ったほうが得。

パターン2: 大阪→京都日帰り

ルート: 大阪(梅田)→ 京都 → 清水寺 → 伏見稲荷 → 嵐山 → 大阪

移動ICOCA阪急1day+京都バス1日券
梅田 → 京都河原町(阪急)400円0円(阪急パス内)
河原町 → 清水寺(バス)230円0円(バス1日券内)
清水寺 → 伏見稲荷(バス+電車)380円バス0円+JR210円
伏見稲荷 → 嵐山(JR)240円240円(JRは対象外)
嵐山 → 京都河原町(バス)230円0円(バス1日券内)
京都河原町 → 梅田(阪急)400円0円(阪急パス内)
合計1,880円700円(京都バス)+450円 = 1,150円

阪急ツーリストパスが使える外国人旅行者なら700円で阪急全線乗り放題だが、日本国内の旅行者は阪急の通常運賃を払う必要がある。国内旅行者の場合、京都バス1日券(700円)だけ買って、阪急はICOCAで払うのが現実的。それでも合計1,580円で、ICOCAのみの1,880円より300円安い。

京都日帰りの詳しいルートは別記事にまとめている。

パターン3: 関西3都市周遊(大阪・京都・神戸を3日間)

前提: 大阪を拠点に、Day1京都、Day2神戸、Day3大阪市内を回る。

日程ルートICOCA合計パス利用時
Day1大阪→京都→清水寺→金閣寺→嵐山→大阪約2,200円京都バス1日券(700円)+阪急往復(800円)= 1,500円
Day2大阪→神戸→北野→南京町→ハーバーランド→大阪約1,300円阪神/阪急で往復(640円)+市内バス等 = 1,100円
Day3大阪市内(大阪城→道頓堀→天王寺→梅田)約1,200円メトロ1日券(820円・平日 / 620円・土日祝)
3日間合計約4,700円約3,220〜3,420円

3日間の差額は約1,300〜1,500円。この金額はたこ焼き10皿分ぐらいに相当する。

スルッとKANSAI 2dayパス(4,400円)はDay1+Day2で使うと、ICOCA合計の3,500円より高くなるため、この場合は損になる。スルッとKANSAIは「1日あたり2,200円以上乗る日が2日以上ある」場合に限って得になる計算。

関西3泊4日の周遊プランでも交通費の試算を載せているので、長めの滞在を予定している場合は参照してほしい。

滞在日数別・目的別の最適パス判定

上記のシミュレーション結果をふまえて、「結局自分はどのパスを買えばいいか」を判定するテーブルを作った。

滞在日数 × 目的別の最適解

滞在日数目的最適パス理由
1日(大阪のみ)観光施設をたくさん回る大阪周遊パス 1日券(3,500円)施設入場料が無料になるため圧倒的に得
1日(大阪のみ)食べ歩き・買い物中心メトロ1日券(620〜820円)施設に入らないなら周遊パスは割高
1日(京都日帰り)京都市内を広く回る京都バス1日券(700円)+阪急ICOCAバスを4回以上乗るなら元が取れる
1日(奈良日帰り)奈良市内観光奈良バス1日券(500円)東大寺〜春日大社はバスが便利
1日(神戸日帰り)神戸市内観光ICOCA(都度払い)神戸市内は移動距離が短く、パスが不要
2日(大阪中心)観光+食べ歩き周遊パス2日券(5,000円)or 1日券+メトロ1日券2日とも施設を回るなら2日券、片方だけなら分ける
3日(大阪+京都+神戸)3都市周遊日ごとにバラ買いスルッとKANSAIより日別パスの方が安い
3日以上(広域周遊)関西全域を回るスルッとKANSAI 2dayパス+ICOCA長距離移動が多い日にスルッとを使う

外国人旅行者で5日以上滞在するなら、JR関西ワイドパス(12,000円/5日)は姫路城・城崎温泉・天橋立まで足を伸ばす場合に威力を発揮する。大阪〜京都〜神戸の範囲内だけなら割高になるので注意。

ICOCAの基本と注意点

パスを使わない移動はICOCAが基本。SuicaやPASMOでも関西で問題なく使える(相互利用対応)。

ICOCAの購入: JR西日本の駅券売機で購入可能。デポジット500円+チャージ金額。最低チャージは1,000円から。

チャージ場所: JR・私鉄・地下鉄の駅券売機、コンビニ(セブンイレブン・ローソン・ファミリーマート)。

注意点: 近鉄の一部特急(ひのとり・しまかぜ等)は特急券が別途必要。ICOCAで乗車券部分は支払えるが、特急券は窓口で購入する必要がある。

Apple Pay / Google Pay: 2026年時点でモバイルICOCAはAndroid(Google Pay)で利用可能。iPhoneではモバイルSuicaを関西でも使える。物理カードを持ち歩きたくない場合はスマホに入れておくと便利。

関西の都市間交通ガイドでも触れているが、関西は私鉄が強いエリア。JRだけでなく阪急・阪神・近鉄・南海を使いこなすことで、交通費を大幅に抑えられる。

パスを買うときの注意点5つ

  1. JR系パスと私鉄系パスは別物。JR関西エリアパスでは大阪メトロ・阪急・近鉄には乗れない。逆に大阪周遊パスではJRに乗れない。購入前に「自分が乗りたい路線がカバーされているか」を必ず確認すること。

  2. 大阪周遊パスの「無料施設」は入場だけが無料。施設内の飲食・物販・特別展は別料金。通天閣の特別展望台「跳ね出し展望台」(+300円)は対象外。

  3. 2日券の「連続2日」に注意。大阪周遊パスの2日券は連続する2日間で使う必要がある。日を空けて使うことはできない。スルッとKANSAI 2dayパスは非連続で使える。

  4. 購入場所を事前に調べておく。特に外国人向けパスは販売場所が限られている。関西空港到着後すぐに購入できるものと、大阪市内でしか買えないものがある。

  5. 子ども料金の有無。大阪周遊パスには子ども版がない(大人料金のみ)。メトロ1日券は子ども310円、京都バス1日券は子ども350円。家族旅行の場合は子ども料金の有無で総額が大きく変わる。大阪の家族旅行予算ガイドも参考にしてほしい。

まとめ — 迷ったらICOCA+日別パスが正解

関西の交通パスは種類が多いが、考え方はシンプル。

基本はICOCAで都度払い。観光施設をたくさん回る日だけ大阪周遊パス。京都でバスに4回以上乗る日だけ京都バス1日券。このように「日ごとに最適なパスを選ぶ」のが最も無駄がない。

「全部をカバーする万能パス」を探すより、「その日の行動に合ったパスをその日だけ買う」方が結果的に安くなる。関西旅行の交通費を具体的に試算したい場合は、関西旅行の節約術まとめもあわせて確認してほしい。

Frequently Asked Questions

一番お得な関西の交通パスは?

大阪だけなら大阪周遊パス(1日2,800円、施設入場無料付き)、京都だけなら京都バス1日券(700円)、複数都市を移動するならKANSAI THRU PASS(2日5,200円)が各カテゴリで最強。

ICOCAは旅行者でも買える?

買える。JR西日本の駅の券売機で2,000円(うちデポジット500円)で購入可能。帰りにデポジットと残高を返金できる。

子供用のフリーパスはある?

大阪周遊パスの子供版はないが、大阪メトロのエンジョイエコカード子供用(310円)がある。多くの施設で小学生以下は入場無料なので、子供はICカード+個別入場が安くなることが多い。

京都バス1日券はどこで買える?

京都市バスの車内、京都駅バスターミナルの案内所、地下鉄各駅の券売機で購入可能。事前にコンビニでは買えない。

大阪周遊パスと関西ワイドパス、どちらを買うべき?

目的が違う。大阪周遊パスは大阪市内の施設入場+交通乗り放題。関西ワイドパスはJR特急を含む広域移動向け。大阪観光なら周遊パス、京都・神戸・城崎温泉など遠距離移動なら関西ワイドパス。