半年前、ここに2,902万人がいた。

2025年10月13日に閉幕した大阪・関西万博の会場・夢洲。閉幕翌週からパビリオンの解体が始まって、今(2026年4月)はほぼ更地に戻りつつある。あの華やかさを知っている人間からすると、ちょっと切ない風景や。

でも、夢洲の物語はここで終わりじゃない。むしろ、ここからが本番。1兆5,000億円超のIR、サーキット場かウォーターパークか——次の夢洲がどうなるのか、2026年4月時点でわかっている情報を全部まとめた。

万博会場の大屋根リングと夜空に打ち上がる花火 万博GOフォトコンテストより — 大屋根リングと花火の共演。これが最後の夜だった

解体の今 — 2026年4月13日が返還期限

まず現状の整理から。

各参加国・企業は2026年4月13日までに敷地を返還する義務がある(万博公式サイト)。会場全体の整地・土地返還の最終期限は2028年2月末。つまり、完全な更地になるにはまだ2年近くかかる。

パビリオンの移設・保存については別の記事で詳しくまとめているので、「あのパビリオンはどこ行った?」が気になる人はそっちを読んでほしい。

大屋根リング、北東200mだけ残る

大屋根リングの上に広がる色とりどりの花畑 大屋根リングの上に広がった花畑 — この景色の一部が保存される

全周2km、ギネス世界記録の木造建築物。あの大屋根リングのうち、北東側の約200mが原形に近い形で保存される。

項目内容
保存範囲北東側約200m(全周2kmの約10%)
場所大阪ヘルスケアパビリオン跡地の隣接エリア
構造上に登れる構造を維持
費用改修・10年間の維持管理で約50億〜最大90億円
財源万博運営費の黒字(230億〜280億円見込み)
記念館公園内にEXPO2025記念館(仮称)を設置

周辺の約3.3ヘクタールは大阪市が市営公園として整備する(日本経済新聞)。

「南西350m」の保存案もあったけど、IR開発エリアとの兼ね合いで北東200mに決まった経緯がある。200mで十分なのか? 90億円は妥当なのか? 意見は分かれるところだけど、少なくとも「リングの上から夢洲を見渡せる場所が残る」というのは、個人的にはけっこう大きい。

ただし、木造建築の宿命で腐食が進んでいる部分もあるらしく(週刊SPA!)、保存は言うほど簡単じゃない。

参考: 東京新聞 / 日経クロステック

IR(MGM大阪)— 1兆5,130億円の巨大プロジェクト

夢洲の「次の主役」は、間違いなくこれ。日本初の統合型リゾート「大阪IR」。

項目詳細
運営MGM大阪(MGMリゾーツ+オリックス+関西企業22社)
投資額1兆5,130億円(建築物整備費だけで1兆1,285億円)
開業予定2030年秋
延床面積約77万m²(当初計画から増加)
高さ127m(地上27階建て)
ホテル3施設・約2,500室
劇場夢洲シアター(約3,500席)
年間来場者約2,000万人
年間売上高約5,200億円

2025年4月に着工して、2026年2月時点では杭打機がフル稼働中。夢洲は埋立地で地盤がめちゃくちゃ軟弱だから、直径数メートル級の場所打ち杭を大量に打設する必要がある(大阪IR公式ページ)。巨大な建設現場がすでに夢洲の景色を変え始めている。

投資額1兆5,130億円。あべのハルカス(約760億円)の20倍。ラスベガスのMGMグランドの大阪版みたいなイメージで、カジノだけじゃなくて国際会議場、展示場、劇場、商業施設を含む複合施設になる。

年間2,000万人。万博の2,902万人は184日間の数字だけど、IRは365日毎日この規模を回し続ける計算。夢洲が「一時的なイベント会場」から「恒久的な国際観光拠点」に変わる、その転換点がこのIRや。

参考: 大阪IR公式ページ(大阪市) / MGM大阪公式サイト / 建設通信新聞

跡地にサーキット場?ウォーターパーク?

ライトアップされた万博パビリオンの夜景 在りし日のパビリオン夜景 — この場所がサーキットかリゾートに変わる

万博会場跡地(約50ヘクタール)の活用について、大阪府大阪市は2025年1月に2つの優秀案を選定した(日経クロステック)。

案1: サーキット+アリーナ(大林組グループ)

大林組の社長が「夢洲にサーキットを整備し、水素車やEVの実証も」と日本経済新聞のインタビューで語っている。F1グランプリの誘致も視野に入れたサーキット場、クルマのアミューズメントパーク、大型アリーナ、ホテル群で構成される壮大なプラン。

大阪でF1。想像するだけでワクワクするけど、正直なところ騒音問題と住民の反応を考えるとハードルは相当高い。でも「実現したらインパクトは計り知れない」のも事実。

案2: ウォーターパーク+リゾート(関電不動産開発グループ)

ラグジュアリーホテルを核にした水のリゾートと商業施設の複合体。ファミリー層にはこっちのほうが魅力的かもしれん。万人受けするのは間違いなくこっち。

2026年春に開発事業者の公募が始まる予定で、2030年前後の一部エリア供用開始を目指している。IR+跡地開発で、夢洲全体が巨大なエンターテインメントアイランドに変貌する未来が近づいている。

ちなみに、両案とも関電系の企業が関わっているのが興味深い(共同通信)。

夢洲駅はすでに稼働中、さらに2路線延伸へ

「万博が終わったら夢洲に行く手段なくなるんじゃない?」——この心配は不要。

大阪メトロ中央線の**夢洲駅**は2025年1月19日に開業済みで、万博閉幕後もそのまま営業を続けている。コスモスクエア駅から北西に3.2kmの延伸路線。

さらに、IR開業に合わせて2路線の延伸が検討中:

路線方面状況
大阪メトロ中央線本町・森ノ宮方面稼働中
JR西日本大阪駅方面検討中
京阪電気鉄道京都方面検討中

3路線が乗り入れるようになったら、夢洲は「辺境の人工島」から「関西の新しいターミナル」に化ける。京都からIRに直通で行ける日がくるかもしれん。

EXPO2025 Futures Festival — 2026年4月12日開催

太陽の塔

ここで直近の話。万博1周年メモリアルイベント「EXPO2025 Futures」が動き出している。

EXPO2025 Futures Festival(2026年4月12日):

  • 会場: 万博記念公園内特別会場
  • 内容: テーマ事業プロデューサー8名によるトークセッション、ミャクミャクのダンスパフォーマンス、万博グルメのキッチンカー、限定グッズ販売
  • 目玉: 「One World, One Planet.」ドローンショーが一夜限りで復活
  • 入場: 事前抽選制(公式ページ

EXPO2025 Futures Station(2026年4月8日〜14日):

さらに第二弾として、2026年7月〜10月に全国6都市を巡る「EXPO2025 Futures Tour」も予定。1970年と2025年、2つの万博の記憶が交差するイベントになる。

夢洲の「第2章」— タイムライン

グランフロント大阪の外観

最後に、今後のスケジュールを整理しておく。

出来事
2026年4月パビリオン返還期限。1周年イベント開催
2026年春跡地開発の事業者公募開始
2028年2月会場全体の整地完了
2030年秋IR(MGM大阪)開業。年間2,000万人
2030年前後跡地の一部エリア供用開始
2030年代JR・京阪の夢洲延伸、跡地の全面開業

IR+サーキット(orウォーターパーク)+記念公園。夢洲はこの3つの要素で「国際観光拠点」に生まれ変わろうとしている。

万博は終わった。でも夢洲の物語は、これからが本番や。

万博の記録はアーカイブページでいつでも振り返れる。あの184日間の全パビリオン情報、待ち時間データ、来場者ランキング——全部残してある。


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